隠ぺい配管を利用した工事について
【隠ぺい配管を利用した工事について】
基本、隠ぺいされた配管を使用してエアコンの設置ができる前提でお伺いし、作業を始めます。
途中で「これは難しい」という判断をする場合もあります。
隠ぺい配管を利用した工事というのは、設置後に試運転を行い、大丈夫だったから安心というものでもなく、数年後に、実はその配管に大工さんが誤ってクギを打ってしまっており、エアコンを利用しているうちに、そのガスの圧力で徐々にクギが抜けて、ガス漏れが発生するという場合もあります。
従いまして設置ができる前提となり、はじめに確認というのも、後付けの設置業者である私どもでは、保証できるものではないのです。
次の項目(a~c)は、可能な範囲で確認します。
a)配管の折れがないか、排水経路が確保されているか。
隠ぺい配管を利用した工事は、かなりシビアな工事となります。
未使用の配管でも、現地で実際に見て確認し、大丈夫であれば工事を進めます。
場合によっては、管理会社への確認を要し当日工事ができない場合、もしくは当方で工事をお受けできない場合があります。
また、隠ぺい配管が利用できないと判断した場合、可能であれば壁へ配管または、排水管のみの穴あけをすることもあります。
b)配管の肉厚が0.7mmの旧配管が使用されていないか。
目安は、建物の築年数が2000年以降かどうかです。
それ以降に建てられたお家であれば、ほとんどが新しい規格の配管が使用されております。
連絡電線の被覆(グレー色)に年式が記されておりますので、そちらで判断しております。
実際には諸事情で配管の交換が難しく、お客様のご意向でやむなく旧配管を使用することがありますが、ガス漏れのリスクは回避できません。
メーカーは取付け不可と言っております。
冷媒配管の肉厚変更(0.7mmから0.8mmへ変更)されたのは、使用する冷媒ガスが替わったからです。
2000年頃から従来のR22より、R410という冷媒ガスに替わりました。
(現在はR32冷媒ガスです)
それに伴い、冷媒配管の肉厚変更、専用工具の変更が必要となりました。
(R410からR32への変更は、同じ仕様なので問題ありません)
R410及びR32は、R22の仕様と比べ、作動圧が約1.6倍と高く、各要素部分の高圧化が欠かせません。ご注意下さい。
c)連絡電線が、適合しているか。
【加工不要】
「2.0mm3芯」1本の場合
「2.0mm4芯」1本の場合
【加工必要】
「1.6mm2芯+2.0mm2芯」2本の場合
「1.6mm3芯」1本の場合
「1.6mm4芯」1本の場合
本体配線差し込み部の形状の都合上、異経電線の組み合わせや、一部機種では1.6mm電線の使用はできません。
そのため、加工が必要となります。
加工とは、連絡電線を途中切断し、正しい配線経へ変換することです。
しかしメーカーは、信号の誤作動による故障等を理由に、途中接続を禁止しております。
(内線規程では、禁止されておりません)
d)コンプレッサー焼等の故障(基板不良等は除く)をおこした機器から新しい機器へ入れ替える場合は、冷凍サイクル内の洗浄を行う必要があります。
洗浄をせずに工事を行うと故障によって生じたスラッジ、劣化オイル、コンタミの影響で、再び故障する可能性が大きくなります。
その疑いがある場合は、必ず申し出て下さい。
配管洗浄キットの準備が必要(通常は車載しておりません)となるためです。
また料金は、作成したお見積もりとは別に35200円(税込)かかります。
こちらの料金は、お見積もり内及び補足としても記載されておりませんのでご注意下さい。
以上です。
これらのリスクは、メーカー保証が受けられない、メーカーによる製品修理が受けられない可能性も含みます。
また、メーカーサービスマンの診断の結果、「施工不備」「施工不良」と指摘を受ける可能性が有る工事です。
従いまして、当方の工事保証もございません。
これらをご承知の上で工事のご依頼を頂ける場合に、お受けすることができます。
どうぞよろしくお願いいたします。